RNA分子を標的として、ナンセンス変異を含むExonを正常配列のExonに置換させるように、トランススプライシングを誘導するアンチセンス核酸医薬品・遺伝子治療薬を開発する企業。タンパク質を用いず、アンチセンスRNAのみ(もしくはRNA配列をコードするウイルスベクター)の投与で、対象のRNA配列のスプライシングをダイレクトに調節するSplicing-Directed Repairプラットフォームによって、ナンセンス変異が原因となる遺伝性疾患において機能タンパク質を発現させる。様々な配列のRNAをライブラリとしてプールで作用させ、目的のトランススプライシング活性を示すRNAを特定するハイスループットなスクリーニング系を構築している。
San Francisco, California, United States
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設立 2021 年 | 推定従業員数 1-10 名 | 累計調達額 $9.8M Ave:130.5M Med:18.7M | 提携企業数 1件 Ave:3.2 Med:1 | 論文数 0件 Ave: 13.4 Med: 4 | 特許数 6件 Ave: 13.3 Med: 4 |
ナンセンス変異などの変異を持つ遺伝子に対して、変異箇所のExonを正常なExonに置換するRNAトランススプライシングを誘導するアンチセンスRNA技術。
2023年の特許で技術の概要を紹介している。steric blocking antisenseのようにスプライシング調節タンパク質のRNAへの結合を阻害するようなアプローチではなく、ドナーテンプレート配列を持つRNAが置換標的Exon付近のintron部分と相補鎖を形成し、かつトランススプライシングを誘導するウイルス由来の配列(特許ではstabilization domainと呼ばれている)を含んでいる。
置換標的Exonの直近の上流intron、および下流intronにそれぞれ相補鎖を形成させることで、トランススプライシングによってExonがドナーテンプレート配列側のExonに置換される。なお、5'末端のExonを置換する、3'末端のExonを置換するときにはそれぞれ一箇所のintronと相補鎖を形成させている(Fig.2A-C)。
また、GFPレポーター遺伝子を3つのExonに分割し、真ん中のExonにナンセンス変異を導入したレポーターコンストラクトを作成。2箇所のIntron部分を標的遺伝子のIntron配列として、ナンセンス変異があるExonを高い効率でトランススプライシングによって置換できた場合にGFPシグナルが検出されるスクリーニングアッセイ系を紹介している(Fig.3A-B)。これによって、様々なアンチセンスオリゴ配列をハイスループットに評価できると思われる。
2023年の別の特許では、アンチセンスオリゴに核局在化配列を追加することで、核内へのオリゴの導入効率を高めることで結果としてトランススプライシング効率を高める技術を申請している。
パイプライン名 | 開発フェーズ | 対象疾患 | 標的分子/作用機序 | モダリティ | パートナー企業 |
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None | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 |
新規のRNA編集技術を開発する企業。MITのJonathan S. Gootenberg氏、Omar O. Abudayyeh氏の研究成果に基づいており、標的pre-mRNAのRNAトランススプライシングを高い効率で誘導する技術をもつ。2024年にpreprintを報告しており、標的pre-mRNAのイントロン配列にCas7-11をgRNAでリクルートすることでシスのpre-mRNAを切断し、切断部位のすぐ上流の配列と相補鎖を形成するRNA(template guide RNA : tgRNA)、およびSplicing Acceptor(SA)配列を含むテンプレートRNAを投与することで、トランススプライシングが起こることを促進する仕組みで作用する。また、Cas7-11を用いずに、リボザイムを用いてシスのpre-mRNAを切断するアプローチについても評価しており、RNA分子の投与のみでRNA編集を行うことを目指していると思われる。