System1 Biosciences社が社名変更を行った企業。患者由来のiPSCから脳オルガノイドを構築し、オルガノイドの長期培養とアッセイ評価をロボティクスによって自動化し、ハイスループットな評価試験データを機械学習によって分析するデータ分析ソフトウェア(Orchestra)を保有する。自動化されたアッセイ系を用いて、様々な患者由来iPSCのオルガノイド培養プロトコルを最適化している。詳細は不明だが、2022年に新規のモデルとしてNeuroimmune Cerebral Organoid (NICO)を発表している。また、神経性の希少疾患患者のiPSCバンク(Orchard)を行っている。レット症候群、アルツハイマー病の非臨床段階の品目を保有し、その他にドラベ症候群、FTD、パーキンソン病、統合失調症、22q11.2欠失症候群、突発性分裂症候群の研究を行っている。統合失調症の研究ではCerevel Therapeuticsと提携し、神経免疫関連の特定の遺伝子を導入した脳オルガノイドを用いていると言及している。
San Francisco, California, United States
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設立 2017 年 | 推定従業員数 11-50 名 | 累計調達額 $16M Ave:155.4M Med:22.5M | 提携企業数 3件 Ave:3.3 Med:1 | 論文数 4件 Ave: 13.2 Med: 4 | 特許数 4件 Ave: 13.2 Med: 4 |
ロボティクスによって自動化されたプロトコルで患者由来のiPSCから脳オルガノイドを構築する技術。
2020年のPreprintで、自動化された系を活用して、様々な患者由来iPSCのオルガノイド培養プロトコルを最適化する条件検討試験を行ったことを紹介している。
ベースとしているプロトコルは、a:head bio社のJürgen Knoblich教授のものであり、撹拌型のリアクターを用いず、24 well / 96 well プレートでの培養に最適化している点が異なる。
培養時に定期的に細胞画像のイメージングを行いQCデータとして活用。化合物の作用やCRISPR Screeningを実施後に、蛍光免疫染色やオミックス解析、フローサイトメトリー、Calciumイメージングなどのダウンストリーム解析を実施する。
2022年のISSCRで発表された新規のNeuroimmune Cerebral Organoidモデル。プレスリリース以上の情報が得られず、詳細は不明。
神経系の希少疾患患者などの患者から、患者背景データとともに線維芽細胞とPBMCを採取し、iPSCを誘導しバンキングしたもの。
また、必要に応じてCRISPR-Casシステムを用いて遺伝子編集を行い、追加の疾患モデルとしてバンキングしている。
オルガノイド培養とアッセイの自動化ワークフローの制御、ハイスループット試験のデータ分析目的で自社開発したクラウドソフトウェア。
2022年の論文では、試験バッチやクローン間のデータのばらつきと、患者ドナーごとの差異とを効果的に識別できるように、交絡因子の影響の程度をスコア化する計算モデルを報告している。
データ分析では培養時のセンサーデータや、細胞画像、IHC、カルシウムイメージングなどのデータを単一のソフトウェアで分析している(オミックスデータは別のソフトウェアで分析している可能性あり)。
2023年のpreprintでは、WT iPSC、PSEN1変異を持つアルツハイマー病モデルのiPSC、PSEN1変異を修正したisogenic iPSCからそれぞれオルガノイドを構築し、AAVベクターの複数の血清型を作用させ、形質導入効率が各オルガノイドの各細胞種でどのように異なるかを評価し、AAVベクターの血清型の選定を行っている。
論文では触れられていないが、AAVベクターで特定の遺伝子を導入しその効果を見るIn vitroの遺伝子治療の薬効評価試験にも活用できると思われる。
パイプライン名 | 開発フェーズ | 対象疾患 | 標的分子/作用機序 | モダリティ | パートナー企業 |
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Rett syndrome | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Rett syndrome | 不明 | 不明 | |
Dravet Syndrome (DS) | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Dravet Syndrome (DS) | 不明 | 不明 | |
Alzheimer's Disease | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Alzheimer's Disease | 不明 | 不明 | |
FTD | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Frontotemporal Dementia (FTD) | 不明 | 不明 | |
Parkinson's Disease | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Parkinson's Disease | 不明 | 不明 | |
22q11.2 Del Syndrome | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | 22q11.2 Del Syndrome | 不明 | 不明 | |
Idiopathic Schizophrenia | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Idiopathic Schizophrenia | 不明 | 不明 |
提携企業 | 日付 | プレスリリース |
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Genentech | 2023-09-11 | |
Cerevel Therapeutics | 2023-01-24 | |
Cerevel Therapeutics | 2021-12-16 |
正式名称はHubrecht Organoid Technology (HUB)。Hubrecht InstituteのHans Cleversグループリーダーのオルガノイド関連研究の成果の事業化のために設立された企業で、オルガノイド樹立技術のライセンシングと管理、新たなオルガノイドモデルのカスタム構築や標的探索・化合物評価を目的とした受託サービスの提供を行う。Wnt受容体複合体の構成要素であるLgr5を発現する成体幹細胞(ASC)からオルガノイドの構築を行う研究知見に基づいており、様々ながんオルガノイドや正常組織オルガノイドを構築。がんやその他の疾患の患者から構築したオルガノイドモデルをバンキングし、疾患モデルとして活用している。Merck Group (Merck KGaA)に買収され、傘下に入っている。