In vivoで造血幹細胞(HSC)や血液細胞への遺伝子導入、遺伝子編集を行い、ヘモグロビン症や鎌状赤血球症などの治療を行う遺伝子治療・遺伝子編集治療薬を開発する企業。Ensoma社の基盤技術は最大で35kbの遺伝子ペイロードを搭載可能なアデノウイルス由来のウイルス様粒子(VLP)技術にあり、HSCへの効率的なin vivo形質転換を可能にし、ペイロード遺伝子導入や遺伝子編集ツールの送達用DDSとして使用している。また、遺伝子編集技術については、Cas9とは異なるPAM配列を認識しオフターゲット切断活性を抑えたCRISPR-Cas12a改変バリアント技術を持つTwelve Bio社を買収。Twelve Bio社出身でCopenhagen大学所属のStefano Stella教授の研究成果が活用されていると考えられ、Stefano Stella教授は様々なCasヌクレアーゼやCRISPR-associated transposon (CAST)、CRISPR-Cas活性を抑制するCRISPR-Cas ring nucleaseなどの構造解析、smFRETによる一分子単位での作用解析などを行っており、構造ベースの分析に基づくヌクレアーゼ/トランスポザーゼの改変や活性制御分子の研究を行っている可能性が高い。学会発表の情報から、MIT/HarvardのDavid Liuのラボと共同研究を行っていることが伺える。これまでに、Prime Editorによるマウス鎌状赤血球モデルのIn vivo造血幹細胞編集、Adenine base editor(ABE)によるマウスβ-サラセミア/鎌状赤血球症モデルのin vivo編集などの事例を報告している。
Boston, Massachusetts, United States
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設立 2019 年 | 推定従業員数 51-200 名 | 累計調達額 $205M Ave:130.5M Med:18.7M | 提携企業数 1件 Ave:3.2 Med:1 | 論文数 4件 Ave: 13.4 Med: 4 | 特許数 10件 Ave: 13.3 Med: 4 |
Cas9とは異なるPAM配列を認識し、オフターゲット切断活性を抑えたCRISPR-Cas12a改変バリアント技術を持つTwelve Bio社を買収し技術を獲得している。
関連論文としては2018年にCas12aの切断反応中間状態のCryo-EM構造解析や、単一分子FRETによる切断反応の分析を行い、Cas12aが標的DNA を切断後に非特異的切断活性を獲得し、非特異的にssDNA分子を分解することを特定。 新たなcrRNA分子がCas12aのR ループ構造に作用することでCas12aが特異的な切断活性を取り戻すことに言及している。
この発見に基づき、最適な構造を持つCas12aバリアントを開発したと考えられ、2019年に変異型Cas12a(Cpf1)の特許が申請されている。
Twelve Bio社出身で、Copenhagen大学所属のStefano Stella教授が買収によってEnsoma社に参画することになり、今後はその研究成果が活用されていくと考えられる。 Stefano Stella教授は様々なCasヌクレアーゼやCRISPR-associated transposon (CAST)、CRISPR-Cas活性を抑制するCRISPR-Cas ring nucleaseなどの構造解析、smFRETによる一分子単位での作用解析などを行っており、構造ベースの分析に基づくヌクレアーゼ/トランスポザーゼの改変やCRISPR-Cas活性制御分子の研究を行っている可能性が高い。
また、学会発表の情報から、MIT/HarvardのDavid Liuのラボと共同研究を行っていることが伺える。これまでに、Prime Editorによるマウス鎌状赤血球モデルのIn vivo造血幹細胞編集、Adenine base editor(ABE)によるマウスβ-サラセミア/鎌状赤血球症モデルのin vivo編集などの事例を報告している。
アデノウイルス由来のウイルス様粒子(VLP)技術。最大で35kbpのペイロード遺伝子を送達することができ、造血幹細胞(HSC)に対する高い形質導入効率を示すことが特徴。
特許では、様々なSerotypeのアデノウイルスについてclaimされている。また、Serotype35のAd35ベクターの産生を効率的に実施できるAd35 helper vectorの特許を申請している。
マウスモデルのHSCのIn vivo遺伝子編集を行った事例では、カプシド修飾されたヘルパー依存性のHDAd5/35と名付けたベクターを使用しており、HSCで発現するCD46受容体をターゲティングしていると説明されている。
パイプライン名 | 開発フェーズ | 対象疾患 | 標的分子/作用機序 | モダリティ | パートナー企業 |
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Undisclosed | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Chronic granulomatous disease | HSC | 遺伝子治療 | |
Undisclosed | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Sickle Cell Disease | HBG1/2 promoter | 遺伝子治療 | |
Undisclosed | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Solid Tumors | T cell, NK cell, HSC | 遺伝子治療 | |
Undisclosed | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Hematological Cancer | T cell, NK cell, HSC | 遺伝子治療 |
提携企業 | 日付 | プレスリリース |
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Takeda | 2021-02-11 |
腎疾患を対象として、AAVベクターを使用した遺伝子治療薬を開発する企業。標的探索技術と遺伝子編集技術、遺伝子治療技術を持ち、標的探索についてはAAVベクターにバーコードオリゴ遺伝子ライブラリをコードし、疾患モデルマウスを用いたIn vivo screeningによって新規の標的分子を探索している(FunSel技術)。遺伝子編集技術については、バキュロウイルスを用いたCas9、sgRNA、テンプレートDNAの単一ベクターでの遺伝子編集や、Cas9の代わりにBase editorやPrime editorを用いる単一ベクターでの遺伝子編集技術を保有している。また、遺伝子治療技術については、カプシド配列やプロモーターを最適化させたAAVベクター技術を保有しており、Podocyte(糸球体上皮細胞)を選択的に形質転換する遺伝子治療薬を開発している。共同創業者の過去の研究成果として、これまでPodocyteへのβ-アミノイソ酪酸(BAIBA)の投与によりミトコンドリア生合成を増加させた事例や、イオンチャネルであるTRPC6がプロテアーゼ受容体のPAR-1シグナルを活性化し限局性分節性糸球体硬化症(FSGS)の予後不良に関与することなどを論文で報告しており、これらの標的に対してパイプラインの構築を先行させている可能性がある。