Myeloid Therapeutics社が社名変更を行った企業。単球などの骨髄由来細胞を用いた免疫細胞療法や、mRNAを脂質ナノ粒子(LNP)で投与することで生体内で抗腫瘍免疫細胞を誘導する創薬アプローチを取る。従来のCAR分子と異なる点として、細胞内シグナルドメインにFcRシグナルドメインとPI3Kリクルートドメインを持ち、単球に発現させることで食作用による腫瘍細胞の取り込みや、樹状細胞(DC)への抗原受け渡しなどの自然免疫シグナルを活性化する特徴を持つ(ATAK Cells Platform)。CD5標的のATAK細胞の品目、CMV感染によってがん抗原をローディングしてDCへの抗原受け渡しを強化した単球の品目がPhase 1段階にある。また、非臨床段階の品目ではmRNAをLNPで骨髄系細胞に送達し、in vivoでscFv細胞外ドメインとFcα膜貫通ドメインの融合分子を発現させ、内因性のFcγ鎖と結合させてChimeric Fc receptorsを形成させる品目を開発している。加えて、RNA分子をテンプレートとしてゲノムの標的箇所に任意の配列を挿入するレトロトランスポゾンベースの遺伝子編集技術(RetroT)を持ち、骨髄系細胞の遺伝子編集に関する研究を行っている。RetroT技術はPrime Medicine社に対して独占的なオプション導出権を含む提携を行っている。
Cambridge, Massachusetts, United States
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設立 2019 年 | 推定従業員数 11-50 名 | 累計調達額 $189.3M Ave:160.7M Med:21M | 提携企業数 3件 Ave:3.6 Med:2 | 論文数 4件 Ave: 12.3 Med: 3 | 特許数 12件 Ave: 19.8 Med: 5 |

細胞外に腫瘍抗原を認識するscFv、細胞内シグナルドメインにFcRシグナルドメインとPI3Kリクルートドメインを持つキメラ分子を単球に発現させたもの。
食作用による腫瘍細胞の取り込みや、樹状細胞(DC)への抗原受け渡しなどの自然免疫シグナルを活性化する特徴を持つ。

mRNAをLNPにローディングして患者に投与してミエロイド細胞に送達し、in vivoでscFv細胞外ドメインとFcα膜貫通ドメインの融合分子を発現させ、内因性のFcγ鎖と結合させてChimeric Fc receptorsを形成させるIn vivo CAR (In vivo ATAK)技術。
2023年のAACRで、GPC3標的のin vivo CARとTROP2標的in vivo CARについて発表している。

単一のmRNA分子にレトロトランスポゾン配列と組み込み遺伝子配列をコードすることで、ゲノム上の標的箇所に任意の組み込み遺伝子配列を挿入する遺伝子編集技術(CREATE)を保有する。
mRNAを送達し、ゲノムに配列が組み込まれるので、DNAをinsertionする遺伝子編集と実質的には同じことが実現できる。
2022年の特許で技術を報告しており、特許のFig.1Aにてその仕組みが説明されている。投与するmRNA分子は、L1レトロトランスポゾンとして知られるLINE-1エレメントを持ち、ORF1とORF2の2つのタンパク質コード領域を持つ(5'-ORF1-ORF2-3'の順に配置)。
通常のLINE-1エレメントのORF1がコードするタンパク質(ORF1p)はRNA結合活性と核酸シャペロン活性を持つが、ORF1領域はこのORF1pをコードさせず、ゲノムに挿入したい配列をコードさせておく。
このmRNAが翻訳されると、ORF1コード部分が翻訳され、続いてリードスルー翻訳により一続きのポリペプチドとしてORF2領域が翻訳される。
ORF2pはRNA介在性のDNAエンドヌクレアーゼ活性と逆転写活性を持ち、翻訳されるとまず投与mRNA分子自身のポリA配列に結合する。
次に、ゲノムDNAのポリT配列部位とポリA配列のハイブリダイズが起こり、ORF2pがDNAの片方の鎖をコンセンサス配列TAAAAで切断する。
その後、ORF2pの逆転写活性により、ORF2、ORF1コード部分の配列が共にゲノムに挿入される仕組み。
ORF2pは天然の分子ではなく、ORF2pに由来しないヌクレアーゼドメインを用いる旨がclaimで言及されている。
適用アプリケーションは免疫細胞の改変であり、T細胞、B細胞、骨髄細胞、単球、マクロファージ、樹状細胞を改変対象細胞としてclaimで言及している。
CREATE技術は使用していないが、2024年の論文でTROP2 CAR-T細胞をIn vivoで産生するIn vivo CAR-Tについてマウスモデルでのデータを報告しているため、T細胞へのLNPによるmRNA送達の実績はすでにあり、CREATE技術を適用できる可能性を指し示している。
パイプライン名 | 開発フェーズ | 対象疾患 | 標的分子/作用機序 | モダリティ | パートナー企業 |
|---|---|---|---|---|---|
MT-304 | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Breast Cancer | 不明 (multi-immune in vivo CAR cell therapy) | 遺伝子治療 | |
CRT-401 | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Epithelial Cancers | 不明 (multi-immune in vivo CAR cell therapy) | 遺伝子治療 | |
CRT-402 | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | B-Cell Depletion | 不明 (multi-immune in vivo CAR cell therapy) | 遺伝子治療 | |
MT-303 | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Hepatocellular Carcinoma (HCC) | GPC3, in vivo CAR Myeloid Cell therapy | 遺伝子治療 | |
MT-302 | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Gastroesophageal Junction Cancer (GEJC) | TROP2, in vivo CAR Myeloid Cell therapy | 遺伝子治療 |
提携企業 | 日付 | プレスリリース |
|---|---|---|
Prime Medicine | 2024-01-05 | |
Acuitas Therapeutics | 2022-05-19 | |
Prime Medicine | 2022-03-31 |
ペプチド抗原を修飾リポソーム粒子に封入して投与するワクチン、および神経変性疾患のタンパク質凝集体に結合する中枢移行性の低分子化合物を開発する企業。修飾リポソーム技術(SupraAntigen)は、リポソーム表面にアジュバント分子の提示、並びにパルミチン鎖アンカーに連結したAβペプチドなどの標的抗原ペプチドをB-cell peptideとしてリポソーム表面に提示し、リポソーム内に免疫刺激用のT cell peptideを含めることで、標的抗原に対する抗体産生を効率的に誘導する特徴がある。ワクチンとしての利用以外に、動物免疫による抗体作成用の抗原として利用することもできる。タンパク質凝集体に結合する中枢移行性の低分子化合物の探索では、皮質ニューロンの細胞アッセイによって化合物のスクリーニングを行い、Tauやα-synucleinに結合する化合物を特定。共にPETトレーサーとして研究開発を行っている。これまでにp-Tau抗体の品目SemorinemabでGenentechと提携、pTauワクチンでJanssenと提携、Tau PETトレーサーでEli Lillyと提携し、大手製薬企業との提携実績が豊富である。