元FogPharma社が社名変更を行った企業。α-ヘリックス構造のペプチド医薬品を開発する企業。2次構造の安定化と細胞透過性の向上を目的として特定のアミノ酸側鎖を架橋したStapled Peptide技術(Helicon Peptides)を持つ。ペプチド鎖のN末端を安定化するように架橋する技術(ProLock)や、2つのHeliconペプチドを架橋して用いる(Griptides)技術を保有する。Harvard大学のGregory Verdine教授のラボの技術が基となっており、Yeast Displayスクリーニングにより、標的タンパク質のタンパク質相互作用(PPI)を阻害するペプチドを探索する。低分子化合物と比較して、α-ヘリックス構造のペプチドが提示する広い結合面に特徴がある。パイプラインはβ-cateninやERG、Cyclin E1/2 の阻害剤やDegrader、Pan-RASの阻害剤、放射性リガンド療法などの品目を保有している。要素技術として、Heliconペプチドや2量体GriptidesペプチドのYeast Displayスクリーニング技術、Bivalent peptideのGriptidesでβ-cateninとE3 ligaseをエンゲージし分解するペプチド、アフィニティーカラムに結合させたタンパク質と化合物とのBinary Complexに対してセルライセートをかけて、セルライセート中の結合タンパク質を質量分析で検出する手法や事例について、特許、論文の情報を報告している。
Boston, Massachusetts, United States
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設立 2015 年 | 推定従業員数 51-200 名 | 累計調達額 $530.3M Ave:155.4M Med:22.5M | 提携企業数 2件 Ave:3.3 Med:1 | 論文数 2件 Ave: 13.2 Med: 4 | 特許数 0件 Ave: 13.2 Med: 4 |
特定のアミノ酸側鎖を架橋したα-ヘリックス構造のStapled Peptide分子。2次構造の安定化により薬物様の特性を示し、α-ヘリックスの折りたたみにより骨格の極性が隠されることで細胞透過性が高まる仕組み。
スクリーニング技術としてはYeast Displayを使用しており、Ras-Raf相互作用を阻害するペプチドの探索事例では特定アミノ酸箇所をランダム配列にしたライブラリを用いて、error-prine PCRで複数ラウンドを回すことでヒットペプチドを取得している。
Heliconペプチドを架橋によって2量体化した分子。Heliconペプチドと同様Yeast Displayスクリーニングが実施可能で、特許でその流れを説明している。
Affinityカラムに提示したE3リガーゼなどのタンパク質とペプチドとのBinary Complexに対してセルライセートをかけて、セルライセート中の結合タンパク質を質量分析で検出する特許が申請されている。
この技術を用いて、Ternary Complexを形成するGriptidesペプチドを探索していると思われる。
論文にて、β-cateninとE3 ligaseのMDM2との相互作用をエンゲージし、β-cateninを分解するGriptidesペプチドの事例が紹介されている。
パイプライン名 | 開発フェーズ | 対象疾患 | 標的分子/作用機序 | モダリティ | パートナー企業 |
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FOG-001 | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Solid Tumors | TCF-blocking β-catenin inhibitor | ペプチド医薬 | |
β-catenin degrader | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Oncology | β-catenin degrader | ペプチド医薬 | |
ERG degrader | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Prostate Cancer | ERG degrader | ペプチド医薬 | |
Androgen receptor degrader | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Prostate Cancer | Androgen Receptor | ペプチド医薬 | |
Helicon-enabled alpha radioligand therapies | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Cancer | alpha-radioligand therapeutics | ペプチド医薬,低分子化合物 | ARTBIO |
提携企業 | 日付 | プレスリリース |
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2024-11-12 | ||
ARTBIO | 2024-05-15 |
標的タンパク質のホットスポットを探索する独自の技術をもち、タンパク質分解薬の創薬を行う企業。論文情報などがなく技術の詳細は不明だが、ケミカルプロテオミクスと機械学習を用いた技術との記載があり、論文は、FBDDについての論文を複数報告している。UK BerkeleyのDaniel Nomura教授が共同創業者になっており、同ラボではactivity-based protein profiling(ABPP)手法を用いてE3 ubiquitin ligasesやDUBに結合する低分子のスクリーニングを行っている。Abbvie社と、新規のE3リガーゼを狙ったタンパク質分解薬の探索を目的に提携している。