タンパク質のセリン/スレオニン残基のリン酸化モチーフを認識して結合する特徴を持つ14-3-3タンパク質を利用し、14-3-3タンパク質と標的タンパク質間の相互作用を安定化するような低分子をMolecular Glueとして開発する企業。14-3-3はRaf kinase, FOXO転写因子, p53など数百種類以上のタンパク質と相互作用を示すアダプタータンパク質であることが知られており、遺伝子発現、シグナル伝達、タンパク質輸送、アポトーシスなど多様なプロセスを調節する。標的タンパク質の分解を行うのではなく、標的分子と14-3-3とTernary Complexを形成する化合物を用いて、14-3-3を介した細胞応答を促進するアプローチ。真菌由来の化合物であるフシコクシン類化合物はその特性を持つことが知られ、フシコクシン系化合物のフラグメントからFBDDのアプローチでリード化合物を探索している。これまでp53, ChREBP, ERα等と結合するMolecular Glue分子を特定した論文を報告。パイプラインはがん領域を中心に、複数の探索段階の品目を持つ。
San Francisco, California, United States
この企業の詳細情報の作成をご希望の方は、お気軽にリクエストください
設立 2020 年 | 推定従業員数 11-50 名 | 累計調達額 $148M Ave:130.5M Med:18.7M | 提携企業数 1件 Ave:3.2 Med:1 | 論文数 2件 Ave: 13.4 Med: 4 | 特許数 1件 Ave: 13.3 Med: 4 |
タンパク質のセリン/スレオニン残基のリン酸化モチーフを認識して結合する14-3-3タンパク質と、標的タンパク質間の相互作用を安定化するMolecular Glueを探索する技術。
14-3-3と特定のタンパク質との相互作用を安定化する分子としてフシコクシン類化合物が知られており、その構造から展開するFBDDベースの創薬アプローチを複数の論文で報告している。
一例として14-3-3/TAZ、もしくは14-3-3/p53の相互作用を安定化するMolecular Glueを探索した2020年の論文事例では、フラグメントカクテルのX線結晶構造解析スクリーニングによるscaffold特定と結合面分析、展開フラグメントのNMR試験、14-3-3/標的分子のリガンドとの複合体in silico dockingシミュレーション(Schrödinger社のLigPrepソフトウェアを使用)、SPR試験や偏光蛍光(FP)アッセイによる検証など段階的な設計とアッセイによって最終的なリード化合物の特定に至っている。
AstraZenecaとの共著論文として発表している2021年の論文では、14-3-3/Pin1の相互作用を安定化する共有結合性のMolecular Glueを設計している。過去のスクリーニング試験から、14-3-3のLys122残基がアルデヒドのイミン基と共有結合をすることを確認しており、Pin1の14-3-3結合領域部分の合成ペプチドと、14-3-3の結合試験系を構築し、アルデヒドフラグメントライブラリのスクリーニングを実施。ヒットフラグメントの展開により、Molecular Glueを設計している。
パイプライン名 | 開発フェーズ | 対象疾患 | 標的分子/作用機序 | モダリティ | パートナー企業 |
---|---|---|---|---|---|
Adaptor / Scaffold | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Oncology | RTK / TK Signaling | 低分子化合物 | |
Exchange factor | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Oncology | Activator of prevalent oncogene | 低分子化合物 | |
Phosphatase | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Oncology | Cell cycle regulator | 低分子化合物 | |
Kinase | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Oncology | Relay for oncogenic signaling | 低分子化合物 | |
Kinase | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Neurodegenerative disorders | Regulator of endolysosomal processes and vesicular trafficking | 低分子化合物 | |
TF | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Oncology | Regulator of cell cycle, proliferation, survival | 低分子化合物 | |
TF | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Oncology | Effector of multiple oncogenic signaling pathways | 低分子化合物 |
標的タンパク質のホットスポットを探索する独自の技術をもち、タンパク質分解薬の創薬を行う企業。論文情報などがなく技術の詳細は不明だが、ケミカルプロテオミクスと機械学習を用いた技術との記載があり、論文は、FBDDについての論文を複数報告している。UK BerkeleyのDaniel Nomura教授が共同創業者になっており、同ラボではactivity-based protein profiling(ABPP)手法を用いてE3 ubiquitin ligasesやDUBに結合する低分子のスクリーニングを行っている。Abbvie社と、新規のE3リガーゼを狙ったタンパク質分解薬の探索を目的に提携している。