細菌の内因性のCRISPR-Casシステムを利用し、標的細菌のゲノムをターゲティングするcrRNAをコードするバクテリオファージを用いて、特定の病原性細菌の遺伝子編集を行うファージ療法の研究を行う企業。ロボティクスで自動化されたハイスループットなスクリーニングアッセイ系を持ち、標的細菌に感染するバクテリオファージの探索を行い、特定したバクテリオファージ群をカクテルとし、標的細菌のゲノムを狙ったcrRNAをコードして投与することで、標的細菌中の内因性のCRISPR-Casによって自身のゲノムが切断され、特異的な除去効果を示す仕組み。大腸菌感染による再発性尿路感染症などの大腸菌を標的とした抗菌ファージ療法の品目(LBP-EC01)がBARDAの支援を受け臨床試験フェーズにあり、その他に緑膿菌、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌の非臨床フェーズの品目を保有している。また、詳細非開示の炎症性腸疾患(IBD)の探索段階の品目を保有している。
Raleigh, North Carolina, United States
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設立 2015 年 | 推定従業員数 51-200 名 | 累計調達額 $118.7M Ave:155.4M Med:22.5M | 提携企業数 4件 Ave:3.3 Med:1 | 論文数 5件 Ave: 13.2 Med: 4 | 特許数 18件 Ave: 13.2 Med: 4 |
細菌の内因性のCRISPR-Casシステムを利用し、標的細菌のゲノムをターゲティングするcrRNAをコードするバクテリオファージを用いて、特定の病原性細菌のゲノム切断を行うファージ療法技術。
ロボティクスで自動化されたハイスループットなスクリーニングにより、標的細菌に感染するバクテリオファージを探索する。
様々な環境由来の試料から、バクテリオファージを収集し、ゲノム配列を特定。様々な細菌群への感染評価を行い、標的細菌に感染するファージを特定する。
この情報を蓄積することで、ファージのゲノム配列から、特定の細菌に感染しやすいかどうかを予測する機械学習モデルを構築している。
その後、標的細菌に感染するバクテリオファージ群をカクテルとし、標的細菌ゲノムを狙ったcrRNAをコードして、どのカクテルが標的細菌の特異的な除去効果を示すかを評価することでファージ療法のリード探索を行う。
2021年に、crRNAをコードしたバクテリオファージの特許を申請している。特許では、バクテリオファージの1247 cl repressor配列を除去することで、感染後増殖しない(宿主ゲノムに組み込まれる)溶原ファージ(temperate phage)となることを防ぎ、溶菌性ファージ(Lytic phage)となるように工夫している。
また、標的細菌のゲノム切断に内因性のCRISPR-Cas、もしくは外因性のCRISPR-Casを使用するとの記述があるため、標的細菌の種類によってはファージ側にCasヌクレアーゼをコードする可能性がある。
2021年の別の特許では、複数のCRISPRアレイ(CasとcrRNAをコードした配列)をコードしたファージについて言及されている。
パイプライン名 | 開発フェーズ | 対象疾患 | 標的分子/作用機序 | モダリティ | パートナー企業 |
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LBP-EC01 | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | E. coli infections | Bacterial DNA modulators | 細菌・ウイルス製剤 | |
LBP-PA01 | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | P. aeruginosa infections | 不明 | 細菌・ウイルス製剤 | Janssen Pharma |
LBP-SA01 | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | S.Aureus | Bacterial DNA modulators | 細菌・ウイルス製剤 | Janssen Pharma |
LBP-KP01 | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | K. pneumoniae infections | Cell death stimulants | 細菌・ウイルス製剤 | |
Undisclosed | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Inflammatory Bowel Disease (IBD) | 不明 | 細菌・ウイルス製剤 |
提携企業 | 日付 | プレスリリース |
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CosmosID | 2022-06-21 | |
CARB-X | 2020-11-10 | |
Johnson & Johnson | 2019-01-03 | |
EpiBiome | 2018-07-17 |
CRISPRヌクレアーゼとcrRNA配列をコードしたDNAペイロードを持つバクテリオファージを用いて、標的細菌に感染させ細菌のDNAを切断することで殺傷する技術を持つ企業。血液がんによる薬剤耐性菌の血流感染症(bloodstream infection)を予防する品目(SNIPR001)がPhase 1段階にあり、CARB-Xと提携している。その他に、家族性腺腫性ポリポーシス(FAP)や心代謝性疾患、炎症性腸疾患(IBD)などの品目を保有する。crRNAのデリバリーはcrRNAをコードするDNAペイロード(CRISPR-Guided Vectors : CGV)をバクテリオファージに搭載し標的細菌に感染させる方法と、CGVを細菌に導入し、その細菌を投与することで標的細菌への接合(bacterial conjugation)を起こし標的細菌に送達する2種類のIn vivoデリバリー手法を持つ。