ネオアンチゲンを探索するバイオインフォマティクス技術(PELEUS)を持ち、自家の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)療法を開発する企業。様々なステージのがんや、再発患者などの患者由来腫瘍組織の分析によって、なるべくがん発生早期で検出される変異に着目し、患者ごとに個別に特定したネオアンチゲン配列に応答するTCRを持つTIL細胞を投与する個別化TIL療法の戦略を取る。患者から採取したTILはEx vivoで患者由来受容細胞と抗原と共にインキュベーションすることで刺激・Expansionを行い細胞製剤とする(Clonal Neoantigen T cell : cNeT)。NSCLC、メラノーマを対象とした品目がそれぞれPhase 1/2段階にある。
Stevenage, Herefordshire, United Kingdom
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設立 2016 年 | 推定従業員数 201-500 名 | 累計調達額 $213M Ave:130.5M Med:18.7M | 提携企業数 2件 Ave:3.2 Med:1 | 論文数 11件 Ave: 13.4 Med: 4 | 特許数 28件 Ave: 13.3 Med: 4 |
個別化TIL療法の標的ネオアンチゲンを選定するバイオインフォマティクス技術。
2019年の総説でコンセプトが説明されており、がん患者由来の手術切除腫瘍組織と血液サンプルに対してWES, RNA-seq解析を行い、腫瘍組織特異的な体細胞変異の測定を行う。ここで、各変異のリード数を加味して、各変異が腫瘍細胞のなるべく多くの細胞で見られるクローン性変異(腫瘍発生初期に起こり、その後の腫瘍細胞の増殖を経て保持されている変異)であるかどうかを判別する確率モデルベースの分析を行い、患者ごとにクローン性変異を特定する。
クローン性変異はその患者の腫瘍細胞の多くが保有する変異であるため、有望なネオエピトープとなる。
その後、クローン性変異配列に基づくネオアンチゲンペプチドを合成し、患者由来樹状細胞と腫瘍組織から単離されたTIL、ペプチドを反応させ抗原応答性のTILを増殖し患者に再投与を行う(Fig.2)。
特にクローン性変異負荷の高い喫煙歴があるNSCLCを開発の1st indicationとして選択したとのこと。
2023年に特許が申請されており、各変異についてクローン性変異化どうかを判断するアルゴリズムについて説明されている。
パイプライン名 | 開発フェーズ | 対象疾患 | 標的分子/作用機序 | モダリティ | パートナー企業 |
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CHIRON (ATL001) | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Non-Small Cell Lung Cancer (NSCLC) | T lymphocyte replacements | 細胞治療 | |
THETIS | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Melanoma | T lymphocyte replacements | 細胞治療 | |
THETIS + PD-1 | 探索 非臨床 P1 P2 P3 申請 上市 | Melanoma | T lymphocyte replacements | 細胞治療 |
提携企業 | 日付 | プレスリリース |
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Arcturus Therapeutics | 2024-05-22 | |
Secarna Pharmaceuticals | 2021-11-19 |
がん患者腫瘍組織を解離した細胞と同一患者由来の免疫細胞とをハイドロゲル内で共培養する技術を持つ企業。organ-on-a-chip、またはプレートベースの培養に対応し、ハイドロゲルに腫瘍組織由来細胞と免疫細胞の共培養を行う事例や、ハイドロゲルには腫瘍組織由来細胞のみを入れ、培地中に免疫細胞をいれることで腫瘍ハイドロゲルの周囲に免疫細胞が存在する共培養系の事例を報告している。様々な薬剤の感受性試験を行うことで、患者の治療選択を支援する診断サービスを開発している。また、研究用途では候補化合物の適応がん種の選別やバイオマーカー探索などのアプリケーションを提供している。化合物の作用後に、細胞画像のイメージングやRNA-seq, 免疫染色などを行い、画像データ(薬剤感受性フェノタイプ)とオミックスデータの統合的な分析を行うことができる。