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2022-12-02 Update

化合物投与による細胞のリプログラミング技術注目企業5社

体細胞から誘導された多能性幹細胞は、再生医療用途での展開に加えて疾患モデリングや薬剤スクリーニングなどその応用範囲は広く、iPS細胞をはじめ様々な誘導多能性幹細胞の研究が進められている。 iPS細胞誘導の際の遺伝子導入では、ウイルスベクターを用いる手法からRNAベクターを用いる手法に替わってきており、より安全、簡便で、高効率な誘導手法の研究が進んでいる。この観点から、低分子化合物による多能性幹細胞の誘導研究が行われているが、難易度の高さからか一般化された手法はまだ確立されていない[1]。 Oct4-GFPレポーター系のセルベースアッセイでマウス低分子誘導iPS細胞(CiPSC)を樹立する化合物を探索した研究では、GSK-3阻害剤やTGF-β阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤やRARアゴニストなどを特定している[2]。 より盛んに行われている研究は、完全な未分化細胞の誘導を行うのではなく、分化細胞を目的の細胞に分化させるダイレクトリプログラミングの分野で、神経幹細胞や心筋細胞、肝細胞、脂肪細胞や膵臓β細胞などの事例が報告されている[1]。in vivoでの化合物投与によるリプログラミングが可能となれば、そのインパクトは大きい。 2022年4月の論文では、ヒト線維芽細胞から上皮様細胞誘導を経て、幹細胞を誘導(hCiPS Cells) する多段階の誘導手法が報告された。誘導過程のscRNA-seqでは四肢発生時に近い遺伝子発現が見られ、JNKパスウェイの阻害が誘導に不可欠であるとのこと[3]。 参考文献 [1] : https://www.nature.com/articles/s12276-020-0383-3 参考文献 [2] : https://www.nature.com/articles/cr2015142 参考文献 [3] : https://www.nature.com/articles/s41586-022-04593-5

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Evotec

創薬標的の検証からトランスレーショナル研究まで総合的に受託サービスを提供する大手CRO。近年は企業買収を繰り返して創薬技術プラットフォームや医薬品パイプライン、製造拠点などを拡張し、積極的な自社創薬を進めている。

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2016年に、マウスで膵臓α細胞からβ細胞へのダイレクトリプログラミングを、GABAの長期的なin vivo投与によって実現した論文を発表している。

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Fate Therapeutics

iPS細胞由来の他家NK細胞療法、およびCAR-NK, CAR-T療法を開発する企業。Scripps Research InstituteからiPS細胞の誘導効率の改善や細胞多能性を維持する低分子化合物群の権利を導入しており、特にROCK阻害剤のThiazovivinが利用されている。2014年の論文では、iPS細胞に転写因子阻害剤の低分子カクテルを作用させ多能性を維持し、Expansionと分析の工程を構築した論文を報告している。この技術を活用してiPS細胞由来のNK細胞やT細胞の自社製造を実施。また、複数遺伝子のノックアウトやCAR遺伝子、CAR以外の遺伝子の共発現などを行う技術を持ち、B2MやCD38のノックアウト(CD38 mAbとの併用を可能にする)によるGvHDの抑制や、膜結合型CD16 Fc受容体の発現(抗体依存性細胞傷害活性増強)、IL-15 Receptor Fusion (IL15RF)の発現(NK/T細胞増殖、活性増強)などのCAR-NK/T細胞の改良を行っている。BCMA標的CAR-NK(FT576)、CD19標的CAR-NK(FT522)、CD19標的CAR-T(FT819)、HER2標的CAR-T(FT825)の品目がPhase 1段階にある。

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Scripps Research InstituteからiPS細胞の誘導効率の改善や細胞多能性を維持する低分子化合物群の権利を導入。特にROCK阻害剤のThiazovivinが利用されている。

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Progenicyte Japan

プロジェニサイト・ジャパン株式会社。細胞投与による再生医療ではなく、間葉系幹細胞から神経幹細胞への分化を促進する低分子化合物を経口投与し、中枢組織での神経細胞を増加させる創薬アプローチを取る企業。これまでに、同化合物で皮膚老化状態の逆転や毛髪の成長促進、角膜再生の現象が起こることを確認している。Central Florida大のKiminobu Sugaya教授の技術が元となっており、iPS細胞由来神経幹細胞のExosomeと、DNAメチル基転移酵素(DNMT)阻害薬のデシタビン(5-アザ-2'-デオキシシチジン)の併用投与により、MSCから神経幹細胞への分化を促進することを報告している。

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iPS細胞由来神経幹細胞のExosomeと、DNAメチル基転移酵素(DNMT)阻害薬のデシタビンの併用投与により、MSCから神経幹細胞への分化を促進することを報告している。

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XellSmart

線維芽細胞からニューロンへのダイレクトリプログラミングを行う化合物カクテルを特定し、パーキンソン病や網膜疾患の創薬を行う企業。誘導に関わる転写因子セットを特定しておき、そのうち1因子を低分子に置き換えるスクリーニングを実施。特定した低分子をベースに、誘導効率を上げる化合物コンビネーションをスクリーニングする段階的なアプローチを取り、ニューロン細胞への分化誘導を行っている。Websiteでは遺伝子編集技術(遺伝子組換えiPSCの効率的な樹立技術)を持つとの記載があるが、関連する論文や特許情報は見当たらず、またBlueRock Therapeutics社と提携しているため、遺伝子編集技術はBlueRock社の技術を使用していると思われる。

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誘導に関わる転写因子セットを特定しておき、1因子ずつ低分子に置き換えていく段階的なスクリーニングアプローチを取る。

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Mogrify

分化した細胞を他の細胞種にダイレクトリプログラミングする転写因子を探索する創薬ベンチャー。テクノロジーは大きく分けて2つあり、遺伝子発現データを利用してダイレクトリプログラミングを行うための転写因子群を探索するMOGRIFYと、発現データとエピゲノムデータを利用して、細胞の分化状態の維持・リプログラミングを行うリガンドを探索するepiMOGRIFYである。パイプラインの対象疾患として、感音難聴(Sensorineural hearing loss)、網膜変性、1型糖尿病がある。リード品のMOG1は蝸牛有毛細胞への分化に必要な転写因子群で、アステラス社と提携し、感音難聴の治療薬として開発されている。

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ダイレクトリプログラミングを誘導する化合物カクテルの探索技術を持つ。調節すべき遺伝子群のオントロジーマッピング、調節すべき転写因子の優先順位付けなどのデータ分析技術に特徴がある。

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